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辰子姫物語(たつこひめものがたり)

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番号 3925 種別 伝説

  大分類 中分類 小分類 番号
日本伝説名彙 岩の部・水の部・塚の部・坂 - - -
日本伝説大系 文化叙事伝説 精霊 八郎太郎 -
日本昔話名彙 - - - -
日本昔話大成 - - - -
日本昔話通観 - - - -
世間話 - - - -
AT分類 -

執筆者名 - 編者名 瀬川拓男松谷みよ子沢渡吉彦
書名・誌名 定本 日本の民話
書名(全集名等) - 巻・号 2
発行所 株式会社未來社
発行年月日 平成11年5月31日 発行年(西暦) 1999年
所蔵先 秋田県立図書館
開始頁 145 終了頁 155
文体 通行体
冒頭文 むかし、院内の里に辰子という世にも稀な美しい娘があった。
結末文 泣きつかれた辰子の母は、村人たちにかかえられ、ようよう家へたどりついたが、その後辰子のいったとおり、水屋の水槽には一年中はつらつとして魚が絶える時がなかったという。

あらすじ 院内の里に辰子という美しい娘がいた。辰子は老いを恐れ、院内嶽の大蔵山観音のお堂に通い永遠に変わらぬ美しさを願い続けた。百日目の夜、観音様が現れ言った。「山の北の泉の水を飲めば永劫の美しさを得るだろう。しかし人間の身には許されぬ願いだ。もう一度よく考えてみるがよい」。しかし辰子は泉の水を飲んだ。すると喉がやけつくように渇き、その水を飲み続けた。そこは湖になり、辰子は竜となってその主となった。
追記 再話 松谷みよ子

(附記) その後、鉄のわらじを片足にはき、鉄杖をつきならして一人の山僧が田沢湖にやってきた。後に十和田湖のぬしとなった南祖坊であった。南祖坊は美しい辰子に思いをかけ、何とかしてのぞみをとげようとしたが、辰子はあらあらしい南祖坊をきらってきらってきらいぬいた。遂には鉄杖や鉄のわらじを思いだすのさえいやがったので、今でも田沢湖では舟に鉄をつかわない。
しかし、八郎潟の八郎とは深いちぎりをむすび、寒い冬になると八郎は田沢湖へやってきて辰子のもとで冬をすごす。そのため田沢湖は冬でも凍ることなく、年々その深さを増しているという。反対に、ぬしが留守がちの八郎潟は氷がはりつめ、年ごとに浅くなっていくと伝えられている。
八郎潟から田沢湖の間には、点々と次のような話が伝わっている。毎年冬になると必らず泊まりにくる旅人があった。寝姿をみてくれるなというので不審に思い、ある年そっとのぞいてみると、旅人は竜の姿になって眠っていた。これこそ田沢湖へかよう八郎であったという。
以上、下総次郎先生、富木友治先生、榊田凌次郎先生のお話、その他資料を集めてまとめた。
その他 -

地域(原文に書かれている地域名) -
地域(現地名) 仙北市
史跡等 -

音声データ - 音声収録年月日 - 音声収録年(西暦) -
話者名 - 話者情報 -

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